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阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう

阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)

平安時代を代表する仏師・定朝(じょうちょう)の作と判明する現存唯一の仏像です。天喜元(1053)年に造立されました。像高が約277㎝ある丈六の坐像です。ヒノキ材による寄木造で、矧ぎ目に麻布を貼って漆を塗り、金箔を押しています(漆箔)。阿弥陀定印(あみだじょういん)を結び右足を上に結跏趺坐(けっかふざ)し、八重の蓮華座に坐しています。頬のまるくはった丸顔で伏し目がちの尊顔は、優しさに溢れた表情をしています。体も全く緊張感のない安定感に富んだ造形で、身にまとう衣も彫りが浅くなだらかです。日本彫刻史における寄木造(よせぎづくり)技法、和様の完成を示す極めて重要な遺作といえます。本尊の胎内には月輪(がちりん)と蓮台が納められています。光背は中心の二重円相部(当初)に雲烟(うんえん)透かし彫りの周縁部(後補・江戸)が取り付いています。周縁部には大日如来(後補・江戸)と飛天12躯(6躯が当初)が懸かります。

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