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2017.3.18
終了

平成29年 春季特別展

-春のお迎え-舞い降りる花と仏の荘厳美--

鳳凰堂内部の壁と扉には、阿弥陀如来による9通りの「お迎え」の様子が描かれています(九品来迎図)。今まさに命尽きようとする人のもとに、たくさんの菩薩を引き連れた阿弥陀如来が飛来し、その命を浄土へ運んでいきます。お迎えの場面には日本的な情景や風俗、四季折々の風物が描かれ、現実世界に来迎表現を見事に融合しています。

本展では、鳳凰堂の九品来迎図の中から「春のお迎え」を描いた『中品中生図』をご紹介します。この壁画は鎌倉時代前期に描かれたとされるもので、長年の風蝕により絵具は剥落・褪色し、描かれた当時の絵の面影は失われています。そこで、平等院では様々な調査研究をもとに『中品中生図』の想定復元模写を制作し、描かれた当時の華やかで美しい姿をよみがえらせました。文化財絵画の模写には、その時点での現状を写し取る「現状模写」と、制作当時の図様や色彩を復元する「復元模写」とがあります。後者は経年劣化により失われた制作当時の内容を検証復元することで、作品がもつ本来の芸術性や施主の精神性を理解することにつながります。

今回の模写制作では、科学調査や絵画史的研究などに基づき、失われた情報を補いながら復元しました。大画面に広がる爛漫たる春の景色の中に、まばゆく賑やかな阿弥陀如来の一行が飛来する光景は貴族たちの憧れであったことでしょう。彼らが最も強く願った美しい来迎の世界をご堪能ください。鳳凰堂の壁扉画は優れた芸術性から、これまでに何度も模写が制作されています。本展では鳳凰堂昭和修理中に制作された現状模写をあわせて展示します。当時の絵の状態を記録した重要な資料であるばかりでなく、模写の域を超えた精緻で巧みな筆運びは必見です。

現在平等院では、国宝鳳凰堂壁画の修理を実施しています(平成27-30年度予定)。本展を通じて文化財保護と模写活用の一助となれば幸いです。

会期:平成29年3月18日(土)~6月23日(金) 無休
場所:平等院ミュージアム鳳翔館(京都府宇治市宇治蓮華116 平等院内)
時間:9:00〜17:00(鳳翔館)
料金:平等院拝観料が必要 大人600円、中高生400円、小学生300円
主催:宗教法人 平等院


  • 「中品中生図」想定復元模写全図(1/4縮尺)


  • 同上・阿弥陀来迎部分(拡大)



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