平山郁夫(1930-2009)は、日本文化の源流を求めて仏教伝来の道であるシルクロードを旅し、平和をテーマとした数々の名作を遺した日本画家です。また世界の文化遺産保護活動を精力的に取り組んだことでも知られています。
画伯は、平成に入るとシルクロードの東の終着地点である奈良や、京都の寺社仏閣を改めて描くようになりました。その早い時期の本格的な大作として描いたのが平等院鳳凰堂です。平等院にも何度も足を運び、御堂が阿字池に映える優美さはまさに浄土のようだと語っています。
開館20周年を迎える記念すべき年にあたり、画伯の13回忌を追悼し、平山郁夫シルクロード美術館の全面的な協力のもと本展覧会を開催することとなりました。本展では、『浄土幻想 宇治平等院』を中心に、大下図や阿弥陀如来坐像の素描などを展観いたします。大下図や素描の何度も重ねられた線や形からは、画伯の試行錯誤の跡が確認できるとともに、制作意図や想いが直接伝わってくるようです。極楽浄土を体現した平等院にて、画伯が画面に込めた浄土への祈りをぜひお感じとり下さい。
会 期:2021年10月9日(土)~2022年2月9日(水) 年中無休
時 間:9:00~17:00(鳳翔館)
料 金:平等院拝観料が必要、大人:600円、中高生:400円、小学生:300円
主 催:宗教法人 平等院 、 公益財団法人 平山郁夫シルクロード美術館
会 場:平等院ミュージアム鳳翔館(京都府宇治市宇治蓮華116)
「浄土幻想 宇治平等院」2005年 平山郁夫シルクロード美術館所蔵
「鳳凰堂(宇治平等院) 大下図」1989年 平山郁夫シルクロード美術館所蔵
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