山あいから阿弥陀如来が上半身や全身を顕して来迎してくる様子を描いた「山越阿弥陀図」と呼ばれる絵画があります。
一般的に来迎図では阿弥陀如来が雲に乗って観音菩薩と勢至菩薩を従えて極楽浄土から臨終者のところへ迎えにやってくる図が主流です。しかしこの一連の絵画は、日本のどこかにありそうな山水風景の中央に大きく阿弥陀如来が描かれており迎えに来たことを示す雲に乗っていないのが特徴といえます。
本展では、さまざまな形態の山を越えて仏が顕れて救済を示す日本独自に発展した宗教的絵画を一堂に展観します。阿弥陀如来の救済を願う人びとにより現代まで描き続けられた「山越阿弥陀図」の歴史的変遷や意味にまで迫りたいと思います。絵画に託した人びとの信仰を感じとっていただきましたら幸いです。
会期:2024年8月30日(金)~2024年9月22日(日) ⇒ 好評のため10月14日(月・祝)まで会期を延長することになりました
場所:平等院ミュージアム鳳翔館(京都府宇治市宇治蓮華116)
時間:9:00~17:00(鳳翔館)
料金:平等院拝観料が必要 大人700円、中高生400円、小学生300円
主催:宗教法人 平等院
祐天開眼 山越阿弥陀図 江戸時代中期 平等院浄土院蔵
山越阿弥陀来迎図 室町時代 平等院浄土院蔵 初公開
山越阿弥陀図 江戸時代末頃 平等院浄土院蔵 初公開
《出品作品一覧》
・山越阿弥陀来迎図 室町時代 平等院浄土院蔵 初公開
・山越阿弥陀来迎図 江戸時代中期 平等院浄土院蔵 初公開
・祐天開眼山越阿弥陀図 祐天上人筆 江戸時代中期 平等院浄土院蔵
・山越阿弥陀図 江戸時代末頃 平等院浄土院蔵 初公開
・冨士山越阿弥陀来迎図 江戸時代 平等院浄土院蔵 初公開
・山越阿弥陀図 梶田半古筆 明治時代-大正時代 平等院浄土院蔵 初公開
・山越観世音図 江戸時代中期 平等院浄土院蔵 初公開
・山越天照大神図 清芳筆 明治時代-昭和時代 平等院浄土院蔵 初公開
・阿弥陀三尊来迎像 江戸時代 平等院浄土院蔵
・知鑑和尚口訣・知闡和尚訣 布薩戒相承次第 平等院浄土院蔵 初公開
・日本絵師 江戸時代 平等院浄土院蔵 初公開
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