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2015.10.3
終了

鳳凰堂西面扉新造復元 特別展示

-『浄土の扉がひらく―真紅の艶めき、金色のかがやき―』-

鳳凰堂中堂には、2枚一組で観音開きの扉が東西南北に計12枚嵌め込まれています。
扉の内面には『観無量寿経』に基づいた絵画が描かれており、 11世紀に遡る平安絵画の稀少な遺品として知られています。

このうち「九品来迎図」が描かれる東・南・北面の扉計8枚は、保存上の観点から昭和40年代に現在の復元摸写扉と取り替えられました。
その後、前の鳳凰堂平成修理(平成24~26年)において、劣化の進行が危惧されていた西面の扉2枚の堂外保存が決まりました。
この扉には「日想観図」が描かれています。

鳳凰堂の扉は、絵画の秀逸さとともに建築における板扉として比類のない構造を有し、外装は全面を朱漆塗とした古今無双の壮麗さを誇ります。
建築史・工芸史における極めて重要な遺例で、今日まで守り伝えられたのはまさに奇蹟といえるでしょう。

この度平等院では、鳳凰堂に納める新しい西面扉を製作しました。
新造扉の製作にあたり、材料・構造・技法等を詳しく調査し、可能な限り当初の仕様で復元しました。
他に類例がないため解明できない技法も多く、現代の技術による復元は困難を極めました。
重厚な総檜造で外装は朱漆塗、金色の装飾金具をあしらった様は、建築の概念を逸脱する装飾性の高い絢爛豪華なものでした。

鳳凰堂に安置する前、最初で最後の特別公開です。この機会にぜひご鑑賞ください。

会期:平成27年10月3日(土)~平成27年12月6日(日)無休
場所:平等院ミュージアム鳳翔館(京都府宇治市宇治蓮華116 平等院内)
時間:9:00〜17:00
料金:平等院の拝観料が必要

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