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九品来迎図

九品来迎図

鳳凰堂に入ると壁扉・柱・天井の全面に広がる極彩色の装飾に驚かされます。特に壁扉の『九品来迎図(くほんらいこうず)』。これは、生前の功徳に応じて九通りの来迎があるという『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』の教えをあらわしたもので、色紙形には経典が記されています。阿弥陀如来は、観音(かんのん)・勢至菩薩(せいしぼさつ)や楽器を手にした菩薩達などの諸尊を付き従えて、下品上生図(げほんじょうしょうず)では、臨終者のすぐそばまでお迎えにおいでになります。上品下生図(じょうほんげしょうず)では、臨終者が金色の蓮に納められ、極楽へ運ばれる様子が描かれています。

鳳凰堂の九品来迎図は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて多様な展開をみせる来迎図の先行例であり、現存最古の遺品です。

背景に広がる穏やかな山水は、押縁(おしぶち)下の墨書によって、北側から時計回りに四季が描かれている事が明らかとなっており、下品上生図には網代木(あじろぎ)が描き込まれ、これを宇治の景観とする説もあります。

さらに、この背景部分の表現技法がやまと絵である事も注目されます。やまと絵は、唐からもたらされた絵画(唐絵)に触発され、平安時代後期までに国風文化として独自の発展を遂げました。本作は大画面やまと絵絵画の最古例の一つです。

本作は時間の経過によって剥落、褪色していますが、江戸時代、また1970年頃に模写が行われ、扉ごと取替えられています。

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