浄土院
![浄土院](../common/img/jodoin-temple-rakando-hall-funanori-kannon.jpg)
浄土院は明応年間(1492-1501年頃)、当時荒廃していた平等院を立て直すために、浄土宗の僧・栄久(えいく)によって創建された塔頭寺院です。阿弥陀如来坐像、伝帝釈天立像、養林庵書院など、数多くの文化財を蔵しています。
浄土院本堂には慈悲の菩薩である観音が航海をしている像があります。この『船乗り観音』と呼称される像は、荒波の中、小船を見守る菩薩の姿を捉えたもので、安全な旅を祈願し、造られました。御厨子は金と青で絢爛な装飾がなされています。江戸時代(1603-1867)に安置された像はその後盗難に遭い、現在は平等院建立950周年を記念して2003年に復元したお像をお祀りしています。
浄土院境内に建つ羅漢堂(らかんどう)は、寛永17(1640)年に茶人として知られる星野道斎(ほしのどうさい)とその息子達によって創建されました。宇治市指定文化財の指定を受け、平成27(2015)年に修理された羅漢堂には、数多くの羅漢が安置されています。羅漢とは、修行を完成させて悟りの境地に達した仏教の聖者です。さらに羅漢堂の天井には龍が描かれています。